ようこそ井口淳子研究室へ(NEW)

民族音楽学、音楽学研究者。近刊は「送別の餃子:中国都市と農村肖像画」jiguchi@daion.ac.jp

オホーツクの夏

25日から3日間、オホーツク沿岸を駆け足で回ってきました。 まずは新千歳空港から女満別空港(網走近く)へ、およそ一時間の快適なフライトで無事、到着。レンタカーを借りてグングン北上します。右手にオホーツク海、左は広々とした緑の大地、まっすぐな道…

記録的な蒸し暑さゆえの脱走

昨日、8月23日は北海道が大阪並みに高温、多湿になったことで白老の借家は朝からぐんぐん暑くなり、冷房、扇風機がない状態では11時が限界でした。 そこで、水筒にお茶、財布とタオルをリュックに入れ、家を脱走、自転車で目指すは駅前のホステル、hakuです…

ポロトコタンの夜

昨日は「ポロトコタンの夜」へ。 ここ白老も日中が暑すぎて、家の中で汗だくで過ごしているので、夕刻が待ち遠しいのです。 昨日はあまりに歯が痛くて歯科医院に駆け込み、麻酔や治療でかなりくたびれていましたが、夏の間にわずか3回という野外公演なので…

声が小さな中国人

私が今、身を寄せているところ(単身赴任の家族の借家)は白老町という胆振郡(といっても関西人には??)の海辺の街ですが、なにせ暑い、湿度が高い。そして家には扇風機もクーラーもない、となると、首に保冷剤を巻きつけ、日中はどこぞのカフェにでも逃…

若きアイヌへ (一通のメール)

このような小さなブログが当事者の方々の目に留まるとも思えないのですが、知人が教えてくれたある文章にいたく感動したことを書き残しておきます。 敬愛するアート・プロデューサーで「ながらの座・座」(三井寺正蔵坊)の座主、橋本敏子さんから昨日、一通…

機嫌よく生きる達人、出現!

Kさんと初めて出会ったのは真夏の今はなき古い大学校舎でした。かつてボーリング場であったその校舎は長いレーンが教室に、狭い階段が特徴の建物で、私はその時、30代で着任早々の新米講師でした。 夏休みにバリ・ガムランのワークショップが開かれ、学生に…

<三文オペラ>と我が身に起きた異変

7月1日、ちょっと遠出をして神戸の西神中央ホール<三文オペラ>を観劇に出かけました。 音楽学者の友人、大田美佐子さんのご著書<クルトヴァイルの世界>に誘われて、三文オペラというクルト・ヴァイルとブレヒトによるドイツ語音楽劇を大岡淳氏が邦訳し…

『わが上海 1942〜1946』、著者と対面できました!

なんども読み返した大好きな作品の著者がロンドンから来日されると聞き、うわぁ!お会いしたい!と思わず口にしたことからあれよあれよというまに、出会いの時が。 場所はとあるフレンチビストロ、「わが上海」の著者、伊藤恵子さんと、小説中の幼いサチ、そ…

1976年、北京

ある新聞記事がきっかけで、ほぼ半世紀ぶりに古い友人と連絡をとりました。 というのも、あるエッセイを執筆していて気になることがあり、インターネットで検索をかけたところ、すぐに当人の記事が出てきたのです。 昔々、私が高校生の頃、我が家に日系人三…

書店<鍛治六>の棚主になりました!

郷里の商店街が少しずつ変化しています。 シャッター街だったのが、趣ある大正時代の建物がリニューアルされ、レストランや書店に生まれ変わっているのです。 書店は元は鍛冶屋さん→金物屋さんで、今年春に書店と角打ちに生まれ変わりました。 鍛治六という…

学位記とイラスト本

娘曰く、「友人たちが婚活や妊活にいそしんでいるけれど、自分にはそういう願望が一切ない、これっておかしいのかなあ?」。 「いやいや、全然おかしくないよ、うまくいけば結婚も出産もめでたいけれど、一種の賭けみたいなもので、失敗するリスクを考えると…

シンポジウム「近代日本の洋楽受容とロシア」に向けて

6月18日に開催されます、シンポジウム「近代日本の洋楽受容とロシア」(オンライン)に登壇いたします。 どなたもご参加できます(参加無料)、下記のご案内文のフォームから参加申し込みをよろしくお願いいたします! 先日、初顔合わせで、しきりに細川周平…

ただいま!ポロト湖

新学期を目前にして、北海道にやってきました。 第一の理由は単身赴任中の家族の体調不良、低体温症になってから一度も手伝いにも行けず、ずっと気がかりだったのが、ようやく本人の顔を見て安堵しました。 そして、早朝のポロト湖、はるか向こうには樽前山…

日仏会館で初顔合わせ

3月16日、東京、恵比寿の日仏会館でようやく科研グループの初顔合わせが実現しました。部分的にはお会いしているのですが、6名全員が揃うのはなんと、初めて! 科研が始まったのがコロナの2020年だったので、その後はオンライン会議やオンラインでの国際シン…

会えてよかった。

会えてよかった。 四年間のほとんどがコロナ。 キャンパスに誰もいないオンライン授業の時も学校の中庭の定位置の椅子に座っていた。 私の授業は全部聴いてくれた。 会うとクシャッと照れ笑い。 来週、帰国するんだね。 今日、別れ際に、「人を信じよ!」って…

不徹寺の思い出

昨日の新聞に不徹寺と出ていて、まさか、あの尼寺?と訝しく思いながら読み進めても、どうにも私の中の不徹庵(と呼んでいた)と一致しないのです。そこで実家の母に連絡したところ、やはり近所の尼寺のことでした。 幼少の頃、この小さな尼寺に「ちゃもとさ…

怒涛の一週間、世界のしょうない音楽祭・満員御礼!

リムさん。この数日、ずっと一緒にいたマレーシアからの留学生です。彼女は短大のピアノ1年生で、私の音楽史の受講生。 科研の映像教材撮影(23、24日)に飛び入り参加してくれ、持ち前のパワフルな明るさで映像を盛り上げてくれました。その夜のワークショ…

ニキータ山下とアウセイ ・ストローク/<夕空の鶴>オーラル・ヒストリー 水谷尚子

「夕空の鶴」の刊行情報を知らせてくださったのは高田馬場のチャイカも経営されている麻田さんでした。 数年前にチャイカに出向き、ニキータ山下のディナーライブに出席したので、一斉メールでお知らせが届いたのです。 とりあえず、読み始めると、ぐいぐい…

喜びは生産性なし、怒りはエネルギーに変換!

怒涛の1月が終わり、はや節分。 毎年、教え子のOさんから京都の老舗店の節分の豆をいただくので、邪気を払いました。 いつもありがとう! さて、1月末に双子Bが博士学位論文の口頭試問を受けてきました。 大雪の北海道だったので交通網が心配でしたが、なん…

上海フランス租界への招待ー日仏中三か国の文化交流

大雪の中、刷り上がったばかりの共著が届きました。 三人の編者のただならぬ心意気が伝わる一冊です。 そもそも、この書の企画の発端は2022年春のシンポジウムでした。 シンポジウムは科研基盤Bの成果発表の場でもあったのですが、6名のメンバーだけではなく…

娘、マネスキン!私、無常くん!

昨夜、娘がマネスキンというロックバンドの新譜CDにいたく感激していたので、「推しがあるって人生が楽しくなるよね〜」と言って、じゃあ、自分の推しは?と考えると、いろいろあるのですが、先週、水曜日に初対面がかなった「無常くん」が「推し」かもしれ…

お正月、目から火花が出た

お正月に目から火花が出ました。 どういうことかと言いますと、歩いて3分のところの金刀比羅神社に参拝しようと石段を登りました。 なぜか拝殿の前に新しい木枠のようなものが天井から下がっていたのですが、それをくぐって参拝、振り向きざまにおでこにその…

2023年元旦、ありがたかった昨年をふりかえって

2023年になりました。 昨日=大晦日も平常運転で校正三昧の1日でした。 鬼のように攻めてくる編者に「もう、これくらいで終わりにしましょう」と言いたくなるのをグッとこらえて、とりあえず、テレビも見ず、夕飯もそこそこにデスクに向かって2022年が終わ…

しゃべる仕事の仕事納め(集中講義・東京藝術大学)

年末年始も何も変わらず、仕事が続きますが、教壇に立つとかオンライン講義とか、とにかく「しゃべる仕事」の最後が幸運なことに自分自身の研究テーマと重なる集中講義だったのはラッキーでした。 初日は上海の楽壇について、概要以外にも一次資料を用いた研…

久々の対面の日本音楽学会例会

本当に何年ぶりでしょう。対面だけの学会例会に参加しました。 JR京都駅からバスで10分、智積院の脇道をのぼると京都女子大学。到着すると予想外にたくさんの参加者が。 レポートをしたためました。支部通信に公開されるものはまた、別の文章になっているか…

全力疾走した夜

今週は9コマという重い一週間。コマというのは90分授業を1コマと呼んでいるのです。 前半はとにかく、朝、起きられない。前日の疲れがとれないのでグズグズと布団の中でもがいている状態。 それでもエイヤッと起き、なんとか出勤するも、水曜には限界が。 …

2022年の最長論文、脱稿しました

2022年に執筆した論文の中で最長となった論文、ようやく脱稿し、ゲラを待つばかりとなりました。総文字数2万字余り。削りに削った結果ですが、かなり枚数オーバーになってしまいました。 フランス租界で300本以上の音楽評論を執筆したシャルル・グロボワにつ…

山口修先生を偲ぶ会(10月9日)

今年4月21日に逝去された山口修先生(1939-2022)を偲ぶ会が、昨夜、教え子によりオンラインで開催されました。 裏方を務めてくださった荒川恵子さん、小西潤子さんは数日前から連絡や資料(映像を含む)作りに追われ、疲労困憊されていたことと想像します。…

スウェーデンと日本

瀬戸内海の海辺の小さな村に生まれたので、幼稚園から中学まで全く同じ顔ぶれでした。 ただ、小学6年の時に都会に転校し、中1の2学期に戻ってきた時、完全に浮き上がってしまい、軽く仲間外れになったのです。多分、それは気のせいで、周囲に悪気はなかっ…

白老の小さな奇跡

白老の小さな奇跡 北海道の海辺の町のアート・プロジェクト 新千歳空港から電車でおよそ1時間ほどの海辺の町、白老。もともとアイヌの集落があっただけに海と山に恵まれ、ポロト湖のほとりには博物館があった(1976年創設)。そこに国立アイヌ民族博物館(…