リムさん。この数日、ずっと一緒にいたマレーシアからの留学生です。彼女は短大のピアノ1年生で、私の音楽史の受講生。
科研の映像教材撮影(23、24日)に飛び入り参加してくれ、持ち前のパワフルな明るさで映像を盛り上げてくれました。その夜のワークショップに誘うと「行きたい!」と初参加。
結局、二日後の世界のしょうない音楽祭の本番ステージに立ち、ヴィオラ・ダ・ガンバを演奏。
怒涛のような数日間をともに過ごし、全てが終わった時に、彼女が「母国には5年も帰国できず、本番で着る衣装がなく、サンタクロースの帽子を持ってきた」と言ったのを突然、思い出し、クローゼットの中のチャイナドレスを物色、リムさんにぴったりの淡いグリーンのドレスを見つけました。これは今は亡き父が上海の老舗仕立て屋で誂えてくれたもの、細部に細かな手仕事がはえる一着です。
すでに横幅が倍増した私には着用の機会もなく、彼女にプレゼントしようと思います(着てくれるとうれしいな〜)。
ともに野村誠さんの<ちりもつもればチャッコーナ>を演奏したこと、その音楽にはここ数ヶ月間の怒りや不安を昇華させる力があったこと、久々にひとを思い、やさしい気持ちを取り戻せたこと、音楽はやはりどのような精神安定剤よりも心に効きます。