ようこそ井口淳子研究室へ(NEW)

民族音楽学、音楽学研究者。近刊は「送別の餃子:中国都市と農村肖像画」jiguchi@daion.ac.jp

<三文オペラ>と我が身に起きた異変

7月1日、ちょっと遠出をして神戸の西神中央ホール<三文オペラ>を観劇に出かけました。

音楽学者の友人、大田美佐子さんのご著書<クルトヴァイルの世界>に誘われて、三文オペラというクルト・ヴァイルとブレヒトによるドイツ語音楽劇を大岡淳氏が邦訳し、みわぞうさんが一人5役で歌唱、演じるという公演。

みわぞうさんが素晴らしいのは予想できましたが、実は、私がノックアウトされたのは大岡淳さんでした。

彼は出ずっぱりで、ステージをまるで自分の居間のように自由奔放に喋る、歌う、演じる。ギャグや風刺、物真似も朝飯前。

とにかくあまりの芸達者ぶりに目が点になりました。

ブレヒトのテクストを日本語に訳されたのも大岡さん、みわぞうさんの日本語は歌なのに本当に日本語として美しく響いていました。

そしてクラリネット、チューバ、ヴァイオリン、キーボードがこれまたキレッキレでした。

イディッシュ音楽を彷彿とさせる物悲しさもあり、ミニマムな編成でこれだけの音の充溢、すごい才能、凄腕のメンバーです。(大熊ワタル、関島種彦、木村仁かな、サルディ佐藤比奈子)

満腹の舞台を堪能した後、アンコールの演奏が始まりました。

ここで、ちょっとした衝撃的な出来事が!

あの有名な<マック・ザ・ナイフ>ですが、場内から拍手がわき起こり、私も手拍子をしたのですが、みなさん、表拍で拍手されたのです。

一人、裏拍で手拍子もおかしいかなと思いましたが、裏拍を続けました。この最後の手拍子の表拍に、「日本人にとって三文オペラとは」と考え込まずにはいられませんでした。

おそらく表拍でも裏拍でもどっちでもいいのでしょうが、日本人がこの曲を表拍で捉えているということ、これは看過できないと思うのです。文化受容とローカリゼイションの問題??三文オペラは日本の風土にどう浸透していくのか?

 

そして翌朝のことです。

起きて階段を降りようとすると、足が動かない!

なんと右足が完全に麻痺して動かないのです。

とりあえず、かかりつけの治療院に連絡し、応急措置を教えていただき、出勤しました。

その後も駅ではエスカレーターやエレベーターを探し、なんとか出勤していますが、各方面にご迷惑をおかけしています。

意気消沈しているので、自分へのお見舞いのお花を商店街の福引券で買いました。

三文オペラ

福引券で買ったお花!