いやはや、戦後も80年が経とうとしている今、ようやく上海バレエ・リュスの貴重な写真が、それも膨大な量が目の前に!
昨日(四月二十七日)、故小牧正英さんのご自宅に伺うことができました。
小牧正英とは、ハルビンでバレエを始め、上海に移り、上海バレエ・リュス(1934〜1945)というディアギレフ・バレエ・リュスの後継団体に所属し活躍したダンサーです。
日本敗戦後に帰国、帰国直後の1946年に<白鳥の湖>全幕日本初演が帝国劇場でロングラン公演となり、その振付を行なった「戦後日本バレエ界のリーダー」の一人です。
白鳥の湖のピアノ譜を小牧さんが持ち帰ったことで、この全幕初演が実現したわけです。
ご自宅にはリビングにデンと大きくて頑丈なトランクが。
小牧氏が大きなトランクに詰めて持ち帰った荷物の中には大量の写真、プログラム、そして<白鳥の湖>のピアノ版楽譜(P JURGENSON Editeur de Musique)が!ロシアのユルゲンソン音楽出版社のものです。楽譜にはShanghai Philharmonic Society No462のスタンプが押されています。当時はバレエ団を上海音楽協会が接収していましたから、そのスタンプですね。
このピアノ譜を元にオーケストラ版編曲がなされて、あの1946年夏、焼け跡の奇跡と言われる「白鳥の湖」全幕初演が実現しました。
楽譜はボロボロでテープで貼り付けてありますが、バレエのための赤鉛筆での書き込みがとても生々しい。
この貴重な資料群を今後、個人所蔵ではなく、誰もが利用できる公的資料にするために私もお手伝いしたいと思っています。
昨日は早朝から夜の研究仲間との飲み会までフル稼働したので、乗り物では絶対に眠らない私が帰りの新幹線で爆睡してしまいました!