今年4月21日に逝去された山口修先生(1939-2022)を偲ぶ会が、昨夜、教え子によりオンラインで開催されました。
裏方を務めてくださった荒川恵子さん、小西潤子さんは数日前から連絡や資料(映像を含む)作りに追われ、疲労困憊されていたことと想像します。
偲ぶ会は、二部に分けられ、前半では先生の生涯とお仕事を紹介し、また叙勲についても写真などで紹介されました。
小西さんは先生の20代からのミクロネシア研究を中心にお話しされましたし、留学生代表の趙維平さんは先生が日中台湾の三ヶ国で文化交流と日本音楽の紹介に努められたことなどをお話しされました。
皆さんの心のこもったスピーチと周到に準備された資料や写真、映像などによって、改めて山口修という民族音楽学者の全体像に少し近づけた気がしました。
第二部は打って変わって、和やかに一人ずつが思い出やビックリエピソードなどを披露され、20時に終了の予定が随分長くまで延長されました。
こういう会を開くには、中心になって動いてくださる方が必要不可欠で、その役を買って出てくださった冒頭のお二人の献身的な働きに終始、頭が下がる思いでした。
参加者は留学生と若い世代が多く、また、弟子ではないものの志村哲さんが、ご葬儀の時と同様に、尺八の献奏をなさったのも印象的でした。
ある後輩が「先生の期待には何一つ答えられず、逃げてばかりいた」とおっしゃったのですが、私とて同様に、民族音楽学やその理論から遠ざかり、今や歴史資料ばかり追いかける日々です。唯一、地歌箏曲というかつての先生のテーマを、研究としてではなく、実践として習い始めたことだけが先生との接点かもしれません。
ともかく、昨夜の会は弟子たちが山口イズムの記憶を共有していることを確認する会になったことは確かです。
温かで心に残る偲ぶ会でした。
合掌。