このような小さなブログが当事者の方々の目に留まるとも思えないのですが、知人が教えてくれたある文章にいたく感動したことを書き残しておきます。
敬愛するアート・プロデューサーで「ながらの座・座」(三井寺正蔵坊)の座主、橋本敏子さんから昨日、一通のメールを受け取りました。
そこには、橋本さんの知人で、北海道白老で幼少期を過ごした芦屋在住の女性が久々になき祖父母の家を訪問し、新しくできたウポポイ 、国立アイヌ民族博物館を訪れた際の心情が書かれていました。
祖父母が暮らしていた白老に家族とともに今年、初訪問、思い出されるのは、冬のワカサギ釣りや、夏の海岸で遊んだこと、仰げば樽前山と目の前の風景が幼少期の記憶をよみがえらせたそうです。
そしてウポポイ のステージで見たアイヌの伝統芸能の上演に、北海道でつくり出された響きを感じ、涙が止まらなくなった、とありました。
祖父母が暮らした家はまだしっかりと白老に残っているそうです。
このような感動を与えていることを毎日、ステージで歌や踊りを披露しているアイヌの若者にお伝えしたい。
和人であっても白老を故郷と思う人たちにとってアイヌの歌や踊りは故郷そのもの、どれだけ長く本州で暮らしていても、音を聴くと土地の記憶が蘇り、心が震えるということをお伝えしたい。
音楽や芸能には、記憶を喚起する底知れぬ力が潜んでいます。
昨夜(8月5日)も、ステージでアペトゥンペ(マレウレウのレクポさんとマユンキさん)のしみとおるような歌声のもと、影絵芝居が上演されました。小さな子どもたちも多く来場していたので、きっと大きくなった時、またアイヌの音楽にどこかで出会った時に、幼少期の、2023年夏の白老の記憶がよみがえってくるのかもしれません。
8月5日【アイヌ影絵 ノチウ コタン2】
アイヌの伝統歌「ウポポ」を通じて文化を発信する「アペトゥンペ」と影絵ユニット「hoshifune」がともにつくりあげる新しい影絵の世界ウポポイバージョン第2弾。