ようこそ井口淳子研究室へ(NEW)

民族音楽学、音楽学研究者。近刊は「送別の餃子:中国都市と農村肖像画」jiguchi@daion.ac.jp

オホーツクの夏

25日から3日間、オホーツク沿岸を駆け足で回ってきました。

まずは新千歳空港から女満別空港(網走近く)へ、およそ一時間の快適なフライトで無事、到着。レンタカーを借りてグングン北上します。右手にオホーツク海、左は広々とした緑の大地、まっすぐな道路は対向車もほとんど見られず映画に出てきそうな風景が続きます。

途中、紋別で休憩兼ランチを、とお店を探すも、商店街は閉まっているお店が多く、街中をグルグル回る中で目についた勘寿司さんへ。さすがお寿司屋さんだけあり上品な盛り付けのオホーツク丼に舌鼓を打ち再び北上。

ひたすら北へ北へと走り続け、枝幸の博物館「オホーツクミュージアムえさし」へ。町立の博物館とは思えない充実の展示(剥製が必見!)と親切なスタッフのみなさん、こちらの博物館、超おすすめです。

www.esashi.jp

夕刻に北緯45度を超えて宿があるクッチャロ湖(浜頓別町)に到着しました。宿は古い施設でしたが、とろーりとした天然湯で疲れが一気にとれました。

翌日は来た道を南下し、再び紋別市へ。市民会館で開催されるシンポジウム「環オホーツク海 文化のつどい」に参加させていただきました。紋別市民会館には冷房はなく、今年の異常な暑さの中、会場では登壇者も聴衆も汗を流しながらの3時間でした。

mombetsu.jp

今年で28回を数えるこのシンポジウム、実は今回が最終回とのことで、力のこもった発表が続きます。夜の交流会にも急遽、参加。民間ボランティアが支えるこの会が今年で解散となることをみなさんが惜しんでおられるその気持ちが溢れた交流会でした。

翌朝はシンポジウムの発表者、林勇介さんのご案内で、シブノツナイ竪穴住居跡へ。オホーツク海のすぐ傍に数多くの窪地があり、それがなんと竪穴住居の跡地なのです。なぜ、11世紀から12世紀の遺跡=窪地が残っているかというと、やはり寒冷気候であることが要因だそうです。

林さんの解説付きという贅沢な考古学見学を体験できたのは思いがけない僥倖でした。

youtu.be

https://www.town.yubetsu.lg.jp/tourism/view/detail.html?content=281

よいことがあれば、その逆が起きるのが世のことわり、その後に起きたアクシデントはなかなか手強いものでした。

まず、飛行機が女満別から新千歳に到着するも、集中豪雨のために待機指示が出され、小一時間、機内で待たされました。ようやく指示が解除され、ダッシュでJRに乗ったのですが、南千歳駅で乗り換えようとすると、まさかの遅延と運休の表示。

豪雨のため線路が使えなくなっていたのです。白老方面への電車は全て運休になってしまい、頼みの綱の北斗20号もなかなか札幌駅を出発しません。結局、2時間以上待ちましたが、復旧の見込みがないと判断して、慌ててインターネットでホテルを探しました。

千歳駅の近くでようやく一軒のビジネスホテルに空きがあり、8時半に到着。ホーリンというホテル、レセプションも丁寧で必要なものは揃っているよいホテルでした。

この夜はクタクタに疲れましたが、待合室で待っていた人たちは結局、9時台の北斗20号まで待たされたのです。およそ4時間半の遅れも大変ですが、来るのか来ないのかわからないという状況がキツイですよね。

こういうトラブルが結構あるというのが北海道、JRも代替バスを運行するなど何らかの救済措置を取ってくれないと、旅行客なら万事休すです。

オホーツク地方のすばらしさを噛み締めつつも、この交通上の課題、何とかならないのかなあ。

 

神威(カムイ)岬

シブノツナイ竪穴住居群

窪地が竪穴住居跡!