ようこそ井口淳子研究室へ(NEW)

民族音楽学、音楽学研究者。近刊は「送別の餃子:中国都市と農村肖像画」jiguchi@daion.ac.jp

中秋の名月、20数年ぶりに友と語らう

 20年以上会っていない友から「今日は中秋の名月だから、夕飯後に散歩がてらお宅に会いに行くわ」と連絡あり。

 彼女の家は駅前で私のところは山の上、急な坂道を汗をかきつつ登ってきてくれた。

 長く会っていなくても遠慮や緊張があるわけではなく、リビングの電灯を消して、庭の真上の満月を眺めながらゆったりと雑談。

 同じような年代の中国研究者で、男女二人の子どもを育て、いつもバタバタしているところもすごく似ている。

 共通の話題には事欠かないのだけれど、最後に「台湾はステキであたたかくて居心地がいいけれど、私は大陸だなあ」という彼女の言葉に思わず膝を打つ。

 そう、台湾、大好きだけれど、大陸のあのガツン、ゴツンとくる衝撃がないのが物足りない。大陸の奥地で、目が点になるような出来事が山のようにある、あれこそ「ザ、中国」。

 「今度、いつ大陸に行けるかねえ、当分は無理かなあ」と話しながら、彼女は明るい月夜の坂道を自転車で帰って行った。

 

台湾出張から戻った愚息。なぜかいつも私にお土産を買ってくる。普段は話もあまりしてくれないのに。