久々に実家に戻り、浄土宗のお盆を迎えています。
細々としたお供え料理や小一時間のお経が3日間続くので、ここでは仕事はせずに、空いた時間は読書三昧です。
実家をひとの家というのもなんですが、この夏は家人が暮らす北海道の借家の書架と実家の書架から本を選び、読書に耽る楽しみがありました。
まず家人宅は膨大な本のために二部屋を丸々使っているのですが、北海道は家賃が安いので、なんてことはありません。床が傾いているのが気になりますが。
自分自身なら、手を伸ばさないタイプの本の中におもしろくて最後までひきつけられたものが何冊かありました。
対談ものや往復書簡ものは普段、読まない本の部類に入るのですが、上橋菜穂子さんと津田篤太郎さんの往復書簡『ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話』は、どの書簡にも考えに考え抜かれた人の死(および生)をめぐるお二人のことばがずっしりと胸に響きました。
全く傾向が違う、村上春樹と川上未映子の『みみずくは黄昏に飛びたつ 川上未映子 訊く/
村上春樹 語る』も「そんなことになっているのか!」と作家の頭の中をのぞくような面白さ。いやあ、自分で選んでいる本の偏りに気づかされます。
この村上、川上本は実家近くの小さな図書館で見つけました。
図書館も個人宅と同様に、当然のことながら個性があります。
当然あるだろうと思っていた全集ものがない、あるはずがないマニアックな本がある、などどういう選択基準?と眺めています。
書店がなくなって久しい実家付近では、公立図書館だけが最後の砦です。
地方に個性的な書店が次々と出現しているという情報、実際にこの目で確かめないことには、なかなか実感できないですね。